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夜行列車の窓。

夜行列車の窓から見える景色はいつの間にか雪に覆われた低い街並みに変わっていた。

これから僕の生きる東京の様子とは全く違っている。


隣ではアイ・マスクをした初老の紳士が綺麗な姿勢で眠っている。
彼を含め僕以外のヒトはみんな深い夢の中にいるようだ。一人一人の人生に今に至るまでのそれぞれのストーリーがあって、全員に話を聞いてみたいけれど、全く聞きたくないとも思う。

僕は他人に関心を持ち、大好きで繋がりを持ちたいと思う一方で、不安で恐くてさげすんで見てさえもいる。


きっとみんなそうなんだろう。ありきたりでつまらなくて、それでいて自分は特別だと思いたくて思いたくもなくて。





眠れない。



幼稚園生の頃を思う。
小学生の頃を思う。
中学生の頃を思う。
高校生の頃を思う。

大学に入る。



今を思う。



眠れない。





ありきたりでつまらないストーリーだけど、それでも僕はそれを想って眠れないでいる。





窓から見える街並みの中には、同じようにヒトが生きている。



僕は今、夜を走る列車の窓に映る僕のストーリーを追い、窓の外に僕以外のヒトのストーリーを空想している。
by yusuke_0328 | 2007-03-10 03:45


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